谷本氏の中北氏に対する攻撃を批判するNO2 Facebookで鈴木元氏が詳しく展開

鈴木元

谷本氏の中北氏に対する攻撃を批判するNO2
昨日、21日の赤旗に掲載された谷本氏の中北氏に対する攻撃を批判したが、仕事に出かける前であったので時間の都合で省略したことについて記す。
(1)ドイツ左翼党は民主集中制を放棄したから派閥が生まれ苦労しているのか
谷本氏は「ドイツ左翼党はNATO化に反対で頑張っている党だが、派閥を認めたことがいくつも派閥をつくることにつながり、その主導権争いがメディアで報道され、深刻な困難に陥っているという悩みが語られた」「ドイツ左翼党の経験は軍事同盟反対という政治変革の立場に立つ党で派閥を認めることがいかに有害かを私たちに痛感させるものだった」と安保破棄を掲げる共産党は民主集中制を堅持しなければならないとの趣旨で述べている。
谷本氏は昨年にヨーロッパの左翼党との交流に出かけた緒方氏らの報告を基にして書いている。
私は、ウクライナに訪問せずドイツなどへ先進国革命についての交流に出かけたことがピントはずれであると批判してきたが、ここでは省略する。谷本氏の議論は「ドイツ左翼党は民主集中制を放棄して派閥云々」としているが、ドイツ左翼党は「何時、民主集中制を放棄したのか?」。現在のドイツ左翼党は東ドイツが社会主義を放棄したあとに出来、結成当初から民主集中制を採用していないし、今日に至る過程で様々な政党との合併・再編を繰り返してきた党であり党内に様々な潮流を抱えている党である。民主集中制を放棄したので派閥が生まれと言うのは歴史的経過と異なる。緒方氏が谷本氏にどのように報告したかは判らないが、少なくとも理論委員会事務局長の肩書で論述するにしては余りにもお粗末な論証である、なお私はドイツ左翼党の事務所を訪ね懇談したこともある。

党岡山県西部地区委員会で講師を務める谷本諭氏

(2)大山氏へのパワハラは明確であるが、そもそも松竹・鈴木に対し除名処分したことが間違いで、そこから今日に至る混乱が生じている。
1)谷本氏は田村氏の批判は「発言内容にしぼった冷静な批判」と論じている。大会を報じた赤旗をみれば明確であるが田村氏は大山氏にたいして「共産党員としての主体性、誠実さを欠いた」などの悪罵を投げつけている。そして大山氏の発言の後、立て続けに3名の代議員による批判、続いて山下副委員長による松竹氏の再申請却下報告、とどめに田村氏による大山氏批判、これが民主集中制を真に体現した民主的討議と言えるのか。であればそのような民主集中制は間違ってることの証明である。
そのうえ共産党ウォッチャーとして有名な「さざなみ」の投稿では以下のように報じている。「山下副委員長は大会で大山氏が発言する前に大山氏に対して5時間に渡って指導・説得、大会後さらに2時間に渡って指導・説得し。大山氏は最後に山下氏にたいして「山下さんよかったですね。私が自殺しなくて」と語ったと報じている。なお別の所からの情報では、この山下氏の大山氏への指導・説得には神奈川県党の委員長・書記長も加わっているとしている。3名で7時間にわたって大山氏への指導・説得を行ったのである。
2)大山氏への批判のポイントは、大山氏が「出版より除名が問題」の「除名が問題」にある。福岡県の神谷氏についても同じである。彼は県委員会総会で「松竹氏の除名処分は間違いである。県委員会総会の名において中央に撤回を求めてほしい」との提案・発言したことに端を発している。つまり志位指導部にとっては松竹・鈴木除名処分にたいする批判は絶対に認められないのである。そしてそれに固執するあまり混乱が拡大しているのである。
除名から1年が過ぎようとしているが、私は今に至るまで志位指導部が、なぜ松竹・鈴木を除名処分したのか判らない。志位委員長体制ができて23年間、ハレンチ罪などを別にすれば「政治的理由」での除名処分は行われてこなかった、就任以来初めての除名処分が松竹・鈴木除名処分である。松竹氏に対する批判は赤旗編集局次長・藤田健氏による「綱領・規約を逸脱したものであることは明確」から始まり、志位氏が「信頼する赤旗の編集局次長が書かれている通りだと思います」と述べたことに期する。この「綱領逸脱」は松竹氏が「綱領に基づいて将来は安保破棄・自衛隊解散を目指すが、当面の野党連合では自衛隊活用・安保容認でいかざるを得ないだろう」と書いたことを根拠にした。しかしその前に志位氏がマスコミなどで同じことを言っているのだから除名の根拠にならない。もう一つは「派閥・分派を生む危険のある党首公選制を述べた」とするものである。党規約では「指導部は選挙によって選ばれる」としか書かれていなく、特定の選挙形態について触れていない。ところが2022年8月、突然「赤旗」紙上に党建設委員会の名前で「革命党の幹部政策」という論文が掲載された。そこでは「党首公選制は派閥・分派を生む」と批判的に論述した。藤田論文は、これに依拠して松竹氏が党首公選制を述べることは党規約を逸脱したものだと書き、志位氏がこれを追認する形で進め除名処分の理由としてきた。党の規約に書かれていず、性格も権限も明らかでない党建設委員会の論文を根拠に松竹氏が規約を逸脱したという論拠は全く成り立たなかった。
当時、多くの党員が中央の除名処分説明に「納得」したのは「松竹氏は一度として党内で論議もせず、意見も上げずに、自分の異論を党外で出版した」とする説明であった。私の地元で私を擁護する人の多くが「元さんと松竹氏とは違う。元さんは何回も中央に意見を上げてきた、松竹氏はそれをやってこなかった」と述べておられた(当時、私は中央へ送った意見書は地域の有力党員には配っていた)。しかしこれは誤解であった。松竹氏は安保・自衛隊政策については中央勤務員時代に何回も志位氏に意見を上げていたが受け入れられず中央勤務員を辞めかもがわ出版で働くことになったのである。党首公選制についても所属する新日本プロセスの支部で何回となく発言している。だから彼が党内で発言せずと言うのは事実と異なる。それでは何故中央に意見書を上げてこなかったのだが、先に示したように安保・自衛隊政策については志位氏に意見を上げていた。それよりも党規約では「いかなる機関にも意見を上げることができる」と記載されているが「回答する義務がある」とは書かれていず」松竹氏は全国の多くの党員が中央に意見を上げても返事していないことを見聞きしていたので行わなかった。
党首は公人であり、どの党の党首でも選挙で敗れたりした場合、党員や国民そしてマスコミから責任を取って辞めるべきではないかと言われている。共産党の党首だけが批判は許されず、それは党内意見にとどめるべきであることにならない。ましてや党首公選制は共産党と公明党以外の党は行っており、多くの党員が国民から「なぜ、共産党は全党員参加の党首選挙をしないのですか」と質問されている国民的議論のテーマである。それにたいして自分の意見を述べるのは当たり前である。それを規約にも定められていない党首公選制は間違いであるとの見解以外の説を述べれば除名というのは余りにも乱暴であった。
私は志位・田村・小池など現在の指導部はもう一度冷静になって「松竹・鈴木の除名処分は間違いであった。それに固執して党内外に混乱をつくり党に大きな被害を生んだ。撤回するとともに松竹・鈴木他、大山氏などに非礼をお詫びする」と表明すべきである。そうしないで居直る限りますます党内混乱、国民的支持を失うことになるだろう。もう時間はない。固執している限り、そんなに遠くない時期に共産党の自壊は留まることを知らないところに落ちるだろう。そのことは2月17日付けの大幡論文で記されている党の惨状が示している通りである。

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