日本共産党は本日6日10時半から第29回党大会の第2回中央委員会総会を開催する。インターネット中継による党員の大規模視聴が呼びかけられている。すでにSNSでは、手紙の第三弾が発表されることが話題となっていたが、昨晩、当ブログ管理人宛に匿名で、7日に発表される「手紙第三弾」の案文が送られてきた。どなたが送られたのかは不明だが、SNSやブログ等での議論の活性化を期待しての送付だと理解した。
どうか読者の皆様には、「手紙第三弾」の案文を読んでいただくとともに、7日に発表されるであろう「手紙第三弾の成案」との比較も行っていただきたい。
ちなみに、管理人が読んだ感想は、
何度手紙を中央から党支部やグループに送っても、この内容では党勢の後退に歯止めをかけ前進に転じることはできないのではないか?というものだ。
長く続く自民党政治のもとで日本の政治が国民の暮らしと平和、民主主義などさまざまな面で制度疲労を起こしていることは多く指摘されていることである。自民党の裏金問題などで共産党・赤旗が「スクープ報道」等を通じて先駆的役割を果たしたことはもちろん評価するが、今多くの有権者が望んでいるのは、古くなった自民党政治に代わる国民の声を生かした新しい政治の流れ政治の台頭ではないのか?
松竹、鈴木両氏の除名処分や、大会での「パワハラ結語」に象徴されるように自分の党の組織運営で、あまりに硬直的で強権的な対応しかできない共産党の「存在そのもの」への不信や疑問が払拭されないもとで、いくら党勢拡大を声高に叫んでも党員にも支持者の心にも響かないのではないか?
多様な意見を柔軟に包摂して、政策的・組織的力へと変えていくしなやかで前向きなエネルギーが、今の共産党からは感じられないと思うのは私だけだろうか?
ぜひ、「第三弾の手紙」の事前流出により、多くの方の目に触れ、議論が巻き起こることを期待して、全文を紹介する。
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党づくりの後退から前進への歴史的転換を
――全党の支部・グループのみなさんへの手紙(案)
2024年4月 7 日 第2回中央委員会総会
(1)
全党の支部・グループのみなさん。
第29回党大会は、大きな成功をおさめました。2カ月間の全党討議、党大会にむかう 「党勢拡大・世代的継承の大運動」をふまえて、私たちは、全党の英知と豊かな経験を結集した歴史的な大会決定をつくりあげました。大会決定は、綱領路線をふまえ、内外情勢 と日本の進路、多数者革命と党の役割、未来社会論の新しい発展など、あらゆる面で豊か で新鮮な内容をもつものとなりましたが、そのなかでも今大会期の私たちの最大の任務と して確認したのは、次のことでした。
「新たな大会期を党づくりの後退から前進への歴史的転換を果たす大会期にしよう」
この仕事をやりぬく最大の保障は、すべての支部・グループが、それぞれの条件を生か して、党づくりの主人公として足を踏み出すことにあります。そして、それをやりぬこう とすれば、中央と党機関、支部・グループが互いに学びあい、互いに知恵をしぼって前途 を拓く「双方向・循環型」の活動をさらに大きく発展させる必要があります。
前大会期の最後の 1 年、中央委員会は「全党の支部・グループのみなさんへの手紙」を 2回にわたって送り、支部のみなさんに「返事」を寄せてほしいとよびかけました。中央 委員会は、6割近くの支部から寄せられた「返事」から、悩みを受け止め、教訓を学び、 法則的活動の方向を打ち出し、前途をともに開拓してきました。こうした「双方向・循環 型」の活動をさらに大きく発展させてこそ、「つよく大きな党」をつくり、党建設で前 進・飛躍をかちとることができる――これが私たちの確信です。この取り組みは、その第 一歩を踏み出したばかりのところです。さらにこの流れを大きく進め、「党づくりの後退 から前進への歴史的転換」を力をあわせてやりとげることを願い、ここに、第2回中央委 員会の総意として、全党の支部・グループのみなさんに手紙を送ります。
(2)
全党の支部・グループのみなさん。
いまの情勢をどうとらえるか。大会決定は、腐敗政治、経済無策、戦争国家づくり、人 権後進国などについて、「今起きている問題は、どれをとっても自民党内で政権のたらい まわしをすれば解決するという問題ではありません。自民党政治の全体が末期的な状況に 陥っています」と情勢を特徴づけました。それから2か月半、この解明の方向で、情勢の劇的な進展が起こっています。 裏金事件が、自民党政治の全体を根底から揺さぶる一大事件に発展しています。ロッキード・リクルート・ゼネコン・佐川急便事件など、これまでの金権腐敗事件は、特定の政 治家が企業からワイロを受け取り、政治をゆがめた事件であり、疑惑の政治家を「断罪」 し、「表紙を替える」ことで、自民党はなんとか乗りきってきました。しかし、今回は自 民党の主要全派閥がかかわる組織的犯罪であり、「替える表紙」がありません。自民党政 治を終わらせるしか根本的な解決法はありません。
「国民には1円単位で納税を迫りながら、自分たちは裏金脱税か」――暮らしの困難と 一体に、怒りが広がっています。物価高騰で暮らしも営業も大変なうえに、インボイス増 税、社会保障の削減・負担増、重い教育費負担。「失われた30年」につづく「アベノミ クス」の失敗による矛盾が噴き出しています。ところが自民党政治は、自らが招いた経済 失政を打開するすべをもちません。
「赤旗がなけりゃ裏金裏のまま」――この大激動をつくりだしたのは、「しんぶん赤 旗」のスクープであり、全国の支部と党員のみなさんが、日々草の根で配達・集金し、読 者を拡大し続けてきたことが、自民党政治をここまで追いつめているのです。このことに 誇りと確信をもち、企業団体献金の全面禁止、「経済再生プラン」を掲げて、政治的な大 攻勢をかけようではありませんか。
平和をめぐっても、「自民党政治の全体が末期的状況」に陥っています。この間、自公 政権は、集団的自衛権行使容認、専守防衛の放棄、敵基地攻撃能力保有など、戦後の歴代 政権が憲法にもとづく「平和国家の理念」としてきたものを、つぎつぎに投げ捨ててきま したが、ついにそれは、次期戦闘機など殺傷兵器の輸出解禁にまでおよびました。「非核 三原則」と並んで「国是」とされてきた武器輸出禁止を投げ捨て、日本を「死の商人国 家」に堕落させることが、世界とアジアの日本への信頼をどれほど傷つけることになる か、はかりしれません。
この異常な暴走は、危険きわまりないものですが、同時に、岸田政権が追い詰められ、 なりふり構わぬ延命策に走っていることのあらわれです。アメリカと日米同盟を絶対視す る勢力の後ろ盾を得て、危機を乗り切り延命をはかろうというのです。
いま平和の問題でも大攻勢をかけるときです。武器輸出をやめよ、戦争する国づくりを 止めようと、一貫して正面から対決しているのが日本共産党です。戦争の心配のない東ア ジアをつくる「外交ビジョン」――憲法9条を生かした平和の対案を示しているのは日本 共産党をおいてほかにありません。4月 17 日の講演「東アジアの平和構築への提言――A SEANと協力して」は、国内外から大きな注目を集めています。102年の歴史をつう じて反戦平和を貫く党として、「憲法守れ」「戦争準備でなく平和外交を」と、全国の地域、職場、学園に声を響かせようではありませんか。 党大会で選出された新指導部体制への注目と期待が高まっています。とくに女性新委員長の誕生は幅広い方々から歓迎され、ジェンダー平等を身をもって実践している党の姿勢 が評価されていることは嬉しいことです。
末期的な状況に陥っている自民党、国民に希望ある政治をさししめし期待を高めつつあ る日本共産党――「つよく大きな党」をつくり、党の躍進をかちとる歴史的チャンスの情勢が目の前に広がっています。みんなで足を踏み出し、チャンスを成果に結びつけ、来る べき総選挙で必ず勝利をきりひらこうではありませんか。
(3)
全党の支部・グループのみなさん。 この2年間は、わが党にとって歴史的な分かれ道となる2年間です。 党大会決定は、次期党大会までに、すなわち2年間で、第28回党大会時現勢――27万人の党員、100万人の「しんぶん赤旗」読者を必ず回復・突破すること、2第28 回党大会で掲げた青年・学生、労働者、30代~50代での「党勢倍加」にむけ、2年後 までの目標をもち、やりとげることを決めました。
2年間でこの目標を実現できるかどうか。ここに文字通り、わが党の命運がかかってい ます。
この目標をやりきるならば、その先には大きな展望が開かれます。長期にわたる党勢の 後退から前進に転じる画期的な到達に立つことができ、5年間で「130%の党」の峰に 達する自信と展望を得ることができるでしょう。それは直面する総選挙での日本共産党の 躍進、沖縄県議選をはじめ中間地方選挙での勝利、来年の都議選・参院選の連続選挙での 躍進をかちとる最大の保障となり、日本の“夜明け”を大きく引き寄せるものとなるでしょう。
党勢拡大で前進している支部からは、「地域の要求や職場の労働者の声がつかめるよう になり、支部の存在意義に確信がもてた」「新入党員がさっそく足を踏み出し、支部が元 気になっている」など、支部が生まれ変わる力をえたとの喜びの声が寄せられています。 そういう支部を、一つ一つ広げていくために知恵をつくし、力をあわせようではありませ んか。
一方、この2年間、党づくりが進まなかったらどうなるか。わが党の任務が果たせなくなる事態に直面することは、みなさんが痛いほど感じておられることだと思います。「党 の旗を地域で示せなくなっている」「選挙をたたかう自力があまりに足りない」「『しん ぶん赤旗』が配れなくなった」――全国のみなさんが直面している困難に、私たちが胸を痛めない日はありません。しかし困難に負けて、党づくりをあきらめてしまったら、未来はなくなり、国民への責任を果たせなくなってしまいます。試練にたえて党の灯を守りつづけていること自体が大きな値打ちのあることです。そこに自信と誇りをもち、困難は党 づくりで突破するという立場にたち、みんなで築いてきた草の根の党の旗を未来へと引き 継いでいこうではありませんか。
党大会で掲げた2年間の目標は、決して無理な目標ではありません。すべての支部が毎 月毎月、党員と読者の拡大に足を踏み出し、1つの支部に平均すれば、29党大会現勢か ら2年間で2人の党員、2人の日刊紙読者、8人の日曜版読者を増やすという目標です。 全国のすべての支部と党員がたちあがるならば、必ずやりとげることができます。
どうか大会で決めたこの目標を、あなたの支部でよく議論し、具体化してください。あ なたの支部の歩みを決して途絶えさせることなく、バトンを次の世代に手渡し、新たな党 の歴史をつくることを心から訴えるものです。
(4)
全党の支部・グループのみなさん。 この手紙を支部で討議し、つぎの「3つの活動」を具体化することを呼びかけます。 第一は、党大会決定を全党員のものにする活動です。 党大会決定には、党の世界論・外交論の新たな発展、日本の政治の行き詰まりの打開の方途、多数者革命と日本共産党の役割、党建設の歴史的教訓と大局的展望、「人間の自 由」をキーワードにした未来社会論の発展など、新しい理論的・政治的突破点がぎゅっと 詰まっています。そこには、全国の支部と党員の活動の豊かな経験に学んでの前進への足 がかりを示す宝物がたくさん盛り込まれています。
まず大会決定を、支部のすべての党員に届けましょう。いま活動に参加することが困難な同志にも、支部の思いをこめて大会決定を届けることは、一人ひとりの党員の実情を知 り、互いに尊重しあって活動するあたたかい支部をつくる新たな一歩になるでしょう。そして、最優先で時間をとって読了をすすめましょう。読了会をはじめ、一人ひとりの条件 にあわせて読了のとりくみへの援助も強めましょう。
党大会決定を全党員のものにすることによって、「どんな困難にも負けない党」「知的魅 力によって国民の共感を広げる党」「一人ひとりが成長できる党」をつくろうではありませんか。
第二は、「車の両輪」の活動の具体化・実践です。
党大会決定を討議し、全面的に具体化しましょう。支部の総選挙勝利にむけた得票目標・支持拡大目標を決めましょう。「政策と計画」をつくり、充実させ、要求にこたえる活動にとりくみつつ、党勢拡大の目標をもち独自追求をすすめましょう。党押し出しポス ターを張り出し、宣伝・対話活動におおいにうってでましょう。
国政での要求とともに、地域、職場、学園での身近な要求を出し合い、多様な要求運動 にとりくみましょう。多くの党員が、さまざまな運動団体の構成員にもなっています。そ の団体の要求運動を支部として位置づけてとりくむことも大切です。
党員拡大・入党の働きかけの日常化をはかりましょう。「党員拡大をたえず支部会議の 議題にする」「党の側から働きかけの対象を狭めず、思い切って広く入党を訴える」「一 回一回の働きかけを評価し、『あなたに入ってほしい』と訴えるチャレンジを励ましあ う」「大・中・小の『集い』を開き、『入党のよびかけ』を活用する」――これらの試さ れずみの鉄則を生かした活動をすすめましょう。
「しんぶん赤旗」をよく読み、配達・集金活動をみんなで支え、要求活動や党員の結び つきを生かして新しい読者を広げていく――「しんぶん赤旗」中心の党活動を発展させ、 財政危機を打開し、「しんぶん赤旗」の発行を守りましょう。
こうした活動を進めるために、週一回の支部会議の開催、学習と党生活確立の「3原 則」(「1支部会議に参加する」「2日刊紙を購読する」「3党費を納める」)が大切で す。入党の初心が生かされ、党員みんなが成長できる支部活動をつくりましょう。
第三は、党の世代的継承のとりくみを党建設の中軸にすえることです。
「若い人を支部に迎え入れたい」――どの支部もつよい思いを持っています。この目で 見れば、若い人との結びつきが見えてきます。まず、現にある結びつきを出し合ってみま しょう。
賃上げ、学校給食の無償化、学費・奨学金返済の負担軽減など、若い世代・真ん中世代 の要求をとりあげて活動している支部で、新しい結びつきが広がっていることも重要で す。この世代の願いにこたえる活動にとりくみ、結びつきを出し合い、「集い」や後援会 活動、「赤旗」の購読などで、党としての信頼と結びつきに発展させて、入党を働きかけ ていきましょう。
世代的継承は、地域支部、職場支部、青年・学生支部、各種団体の党グループのすべて の力を結集し、文字通り全党運動にしてこそ成功します。ベテラン党員のみなさんは「自 分たちの責任」として、真ん中世代のみなさんは「『空白』をとりもどすカギ」として、 若い世代のみなさんは「ここから未来をつくる」決意でとりくもうではありませんか。
(5)
この手紙は、中央委員会の反省と決意を込めてのものです。
全党の支部・グループのみなさん。なぜ長期にわたって党勢の後退が続いてきたか。多くのみなさんが答えを求めているこ とだと思います。党大会では、ソ連・東欧の崩壊による反共の逆風などの客観的困難とともに、党の方針と活動という主体的要因に深くメスを入れ、この問いに対する答えをしっ かりと出しました。
80年代末〜90年代、党員拡大を後景においやる方針がとられたことが、党員拡大の 「空白の期間」をつくり、それが今日の党建設に大きな傷痕を残していること、そして傷 痕がもたらす困難を自覚し、弱点を打開するイニシアチブがとれなかったことを、中央の 反省として党大会決定に明記し、何があっても党員拡大をゆるがず党建設の根幹にすえ、 持続的な前進をはかることを教訓としました。
この決定が、都道府県、地区、支部まで受け止められ、「空白」をとりかえそうという 真剣な議論と行動が起こっていることは、大変うれしく心強いかぎりです。「空白があっ たということは、その分、拡大の可能性が大きい」ということに着目した奮闘も始まっています。
いま、「空白」による困難を乗りこえて党をつくる歴史的チャンスが存在しています。 自民党政治の全体が出口のない行き詰まりに陥っています。貧富の格差の拡大や気候危機 のもと、「資本主義システムをこのまま続けていいのか」という問いかけと、社会主義へ の新たな期待と注目が生まれています。第29回党大会決定が解明した「人間の自由」が花開く社会主義・共産主義の魅力は、旧ソ連・中国による社会主義へのマイナスイメージ を払拭し、若い世代の心をとらえる新鮮な力を発揮し始めています。
「党員拡大・入党の働きかけの日常化」が、全党の合言葉として定着し、党の世代的継 承の自覚的・意識的努力が広がっていることは、党員拡大の「空白の期間」による困難を 克服し、新たな「空白」をつくらず、党を持続的な発展の軌道にのせていく重要な足がかりとなっています。
私たち中央委員会は、党大会での深い反省と教訓にたち、党づくりの歴史的チャンスを 必ず生かしきり、「空白の期間」による困難を打開し、党の新たな発展の時代を築くために、みなさんと心一つに頑張りぬく決意です。
最後に、お願いがあります。みなさんの支部で、党大会決定にもとづく今後2年間の党勢拡大の目標を決め、「3つの活動」を具体化し、それをこの手紙への「返事」として、 遅くとも5月末までに党機関を通じて中央委員会に届けていただきたいのです。
私たちは、党勢拡大の運動が毎月一部の支部に担われている現状をなんとしても解決し たい。すべての支部が「つよく大きな党」をつくる事業に主人公として参加する活動をつくるために、党機関として指導と援助の手をつくしたい。そのことを、第2回中央委員会 総会で固く誓いあいました。
「返事」は全面的なものでなくてもかまいません。まずここから始めるというもので も、あるいは支部の現状や悩みを伝えるというものでも、みなさんの支部の歴史をつくる 大事な一歩となることは間違いありません。
第29回党大会決定の実践に、みなさんと心一つに全力をあげる決意を込めて、お手紙といたします。
コメント
読んでみましたけど、これも「拡大一本槍」の方針に変わりはないですね。
「手紙」は5章にわかれている様だけど、全章とも結局、行き着くポイントは
「今こそ党建設!」。
そして最後の「恐怖の結び」(!)を読んで、末端支部の皆様はどう思われるだろうか:
「最後に、お願いがあります。みなさんの支部で、党大会決定にもとづく今後2年間の党
勢拡大の目標を決め、『3つの活動』を具体化し、それをこの手紙への『返事』として、
遅くとも5月末までに党機関を通じて中央委員会に届けていただきたいのです…」
えっ、またなの? そんなことしてるヒマねぇだろ! っとか言われそうですよね。
文案を拝見しました。
最初に「29回大会は大きな成功をおさめました」というところから引っかかって、なかなか先に進まないのですが、支部の中でも読み合わせしながらそこで苦笑が起きそうな気がします。
「大会決定の読了」と言えば、報告や結語も含まれていたと思います。
となると、あの田村委員長の「結語」も含まれるのですよね。ブラックジョークとしか思えません。
「手紙」自体は宮本・不破氏の頃から、ここぞという時に巻き物のような長い印刷物で発出されていましたが、8回大会以降、60年代の「党勢倍加運動」の時に「中央からの手紙に支部から返事を出そう」という取り組みで議論し実践した、ということがあり、その伝説的な話を思い出したかのように、ここ最近10年ほどの中で「あの時のように支部から返事を出す取り組みを」というのが続いている気がします。
しかし、振り返ってみれば、どの訴えも多少の時代の変化を反映しているとはいえ、論調も視点もさほど変わらず、テンプレートのような訴えであり、読まずともわかるような内容にしか思えません。
「大きな目標に思えるかもしれないが、1つの支部にしてみれば…」という表現も毎回同じであり、それがなぜ達成できないのかという悩みに答えるものにはなっていません。
支部の現状も、職場支部といっても大きな職場であっても現役の党員を迎えられずすでに退職者しかいない、青年支部といっても民青が崩壊して拠り所になるところもないまま放置されている、生活相談で党に迎えてもいつの間にか連絡が取れなくなったままの人、党大会に向けた支部総会でも四苦八苦して「過半数」を集め、どうかしたら「持ち回り」で成立させて代議員を絞り出した、というケース、自治体や教育、農林水産商工分野の当事者の党員も少なくなり、現場の声が把握しづらくなること、そこに連なる各種団体との連携もうまく進まないことなど、おそらく支部や地区の悩みは尽きないと思います。
それに対し、どんな手立てを講じてきたのか、なぜ支部や党員が積極的に立ち上がれないのか、中央幹部の自己分析がほとんど伝わりません。
情勢分析も相変わらずで、「今の共産党に何が足りないのか」という視点ではなく「今の共産党の路線や方針には間違いがなく、それを知らせるのが不十分だから」という側面でしか物事を捉えないから、松竹さんの提起や大山さんの「支部の周りの実情を知らせる発言」について真摯に受け止めることができずにいる、ということをあらためて浮き彫りにした手紙の内容だと思います。
これに対し、今ここに書いたような内容で「返事」をしたら、党中央はいったいどんな反応をするのでしょうね。