穀田恵二氏の不倫問題、若干の補足 2024年3月23日 鈴木元

鈴木元

鈴木元氏が穀田恵二氏の問題で追加の論考をFacebookに投稿されたので、転載する形で全文を紹介したい。


穀田恵二氏の不倫問題、若干の補足 2024年3月23日 鈴木元

(1)市川正一・元参議院議員・幹部会副委員長は不倫問題で除名、穀田氏はそのまま、志位・田村指導部はどう説明するのか

 先日(3月20日)の私の穀田氏の不倫を巡っての論考を読んだ人から、「その直前に市川氏は不倫を理由に除名されたのに、何故穀田氏は除名されなかったのですか」という意見が寄せられた。そうなのだ、私は忘れていた。

 元参議院議員で幹部会副委員長であった市川正一氏は2000年12月27日付けの赤旗に除名の告知が掲載された。理由は不倫であった。ただ除名処分は5月に行われたのに赤旗に除名告知が掲載されたのは12月であったために、当時「さざなみ通信」などで「何故発表が遅れたのか」「任命した委員長の責任は問われないのか」と問題にされていた。

 市川氏は登山とスキーが趣味で当時開催されていた赤旗スキー祭りの実行委員長をしていた。私は京都の代表として参加していて市川氏と懇意になっていた。毎回、奥さんと一緒に参加していて夜の懇親会も同席していて「仲の良い夫婦」だと感じていた。その彼が急に消え不思議に思っていたところに不倫が理由で除名されたと聞いて「あの市川氏が」と驚いた。人に潜んでいる闇は分からないものだ。穀田氏は国会質問は必ず連れ合いに読んでもらい意見をきくなど絶対的信頼を寄せていた。しかし同じく不倫したのに市川氏は除名、穀田氏はおとがめなしは分からない。党規約は全ての党員に平等に適用しなければならない。志位・田村指導部は全党に納得できる説明が求められている。なお誤解があれば良くないので一言補足しておくが、私は不倫=除名すべきとは思っていない。慎重に事実をよく調査し、その内容に即した対応をすべきだと考えている。問題は共産党は市川氏は不倫を理由に除名処分したが、穀田氏については不倫の事実がなかったかのようにふるまっていることである。

(2)穀田氏の不倫は検察によって認められ社会的に確定していることである。

 当時も今も共産党側からは、穀田氏の不倫については2006年年11月2日の「赤旗」での穀田氏が会見しているように「腐敗分子早川氏による事実無根の主張である」としている。「早川氏による言い分だけを根拠に穀田氏の不倫を論ずるのは問題だ」としている。

 私は早川氏の言動だけを下に穀田氏の不倫を論じていない。むしろ逆で穀田氏の言動から彼の不倫が争う余地のない事実だと論じている。20日付け文書で書いたように、穀田氏は早川氏が提供して書かれた「週刊新潮」(2006年11月9日号)の記事は「事実無根」として2006年11月に早川氏等を名誉棄損で東京地検に刑事告訴した。しかし2007年10月に不起訴とされた。「赤旗」では刑事告訴したことは報道したが、不起訴になったことは報道しなかった。しかも決定的なことは穀田氏は検察審査会に再審査請求しなかったし民事訴訟も起こさなかった、つまり穀田氏は検察の不起訴(不倫があったとの認識)を認めたために不倫は社会的に確定したのである。しかし今になっても共産党は不起訴になったことや、穀田氏が再審査請求を行わなかったことなどを公表していない。そして早川氏が2013年に、穀田氏とS・S女史との不倫を詳細に「鮎とビク」と言う題名で電子書籍を出版したのに対して、共産党や穀田氏はそれを反駁しなかったことも、逃れられない不倫事実として認めたことになる。

 当時共産党・穀田氏は「腐敗で除名された早川が、恨みから事実無根の穀田不倫というデマを振りまいた」としていた。しかし順序は逆である。早川氏が穀田氏の不倫を機関に報告し相談した後で、早川氏は秘書を解任され乙訓地区委員会に配置された。その後に腐敗を理由にして除名された。そして早川氏が「週刊新潮」に「ビク(女史)から鮎(穀田氏)へのメール」を提供したのは、それよりさらに後である。共産党や穀田氏が言うように早川氏が腐敗によって除名されたとしても、それによって穀田氏の不倫の事実は消えない。なお付言すると早川氏は前任の秘書から愛人のことについて聞かされ会い引きの場所へ抜かりなく運ぶことの引き継を受けていたそうである。

 私が問題にする重要なことの一つは、共産党員でも不倫をするものは現れる、そうした場合、社会的階級的道義を説く共産党は市川氏に対して取ったように対応すればよい。問題は穀田氏に対しては処分せずにかばってきたことである。ここが今、共産党の体質として問われているのである。もし共産党や穀田氏が私が早川氏の言い分だけで根拠なき不倫説を論じているというなら、私を相手に反駁すれば良い。裁判所で対決しても良い。私は受けて立つ、穀田氏は既に社会的に確定している不倫の事実を再び「不倫は事実無根」と法廷で私と争うことが出来るのかである。

 もう一つは先日に書いたが穀田氏が突然国会における記者会見で私を攻撃したことである。私の推測では穀田氏は不倫の事実を攫まれている人物に鈴木攻撃を言わされたと思っている。穀田氏が事実を明らかにし、私に非礼を謝罪するなら私は命をかけて闘った戦友である穀田氏を許すつもりである。人生晩年になっているのである。もうじき降りる国会議員・国対委員長・常任幹部会員などの肩書に固守せず、誠実に正直に生きることが精神の安定になると思うが、いかがなものか。

 自民党はパーティー券の売上金を収入として記載せずキックバックしていた。政治資金規制法違反であるし脱税行為である。見つかった時に該当者を処分すれば良かったのであるが、安倍派のように組織ぐるみで行っていたので処分できず自民党の金権体質が問われているのである。それを追及する共産党が穀田氏の不倫問題を処分しなけば、共産党の体質が問われるのである。その点では不倫していた市川氏を除名処分した2000年当時より今日、共産党の幹部擁護の腐敗は進んでいると言わざるを得ない。

 以前に書いたように市田副委員長は自らの「規約と党建設」の本を「赤旗」に四段抜きの広告をださせ、全国47都道府県委員長に「私も推薦します」と書かせるなど党私物化を行ってきた。そして今回の党大会まで20年間にわたって毎日自宅から党本部まで中央委員会の運転者付の乗用車で通勤していた(配車表を入手している)。まさに「赤い貴族」である。政党の党首の年間収入において志位氏は自民党の岸田氏に次いで2位である。不破氏に至っては中央から派遣された住み込みのコック・運転手・管理人を使って暮らしてきた。これらの特権を守るために「革命党の組織原則」を言い募り実質役員選挙を行わず、自分たちで後継者指名してきた。その結果、91歳の浜野忠夫氏が人事局長、その下に81歳の市田氏が人事局長代理という超高齢老人が支配する党になってしまった。この不破+三役+国会対策委員長はお互いの特権・腐敗をカバーしあう体制を作ってきたのである。

(3)他人には厳しく、嘘をついても自分には甘い共産党

 先に記したように、穀田氏は3月12日の記者会見において、自民党青年局の会合において肌を露出したダンサーたちを参加させた懇親会に参加した議員は辞職せよと主張した。私は青年局の会議の後の懇親会にそのような女性を呼ぶなどは間違いであると思う。しかし「参加者は議員を辞めろ」とまで言うなら「それなら貴方はどうなのだ」と論じた。

 ところが、その後、京都において3月19日、堀川あきこ副委員長、井坂博文衆議院一区予定候補者、石村和子女性部長らが自民党京都府連へ抗議文書を持って行き「府民への謝罪と参加した議員への処分」を求めた。「京都民報」の取材に応じた中島府会議員は「ダンサーが招かれていることは知らなかった。その場で、えっと思い、困惑した。主催した和歌山県連の関係者には、これはどうなのかと伝えた」と語っている。主催した和歌山県の自民党青年局長はNHKのインタビューに応え「サプライズにするため。各県にはあらかじめ彼女らを呼ぶことは伝えていなかった。迷惑をかけて申し訳なかった」と語っている。共産党京都府委員会のメンバーが、参加者にたいして処分を求めたことは、穀田不倫問題を知らない府民に対して「正義と清潔な共産党」を売り出すためであろうが、良く調べればやりすぎだったと分かるだろう。そして穀田氏の不倫は不問に付していることが明らかになれば府民から顰蹙を買うだろう。


コメント

  1. ぷーすか より:

    イケおじさんはXで共産党議員のご家族の幸せを願っておられましたね。ただ、マルクスは家族制度をブルジョア的であると否定的に捉えていたんじゃないでしょうか。そして、エンゲルスは家族廃止論者だったと思います。子どもは社会が育てたほうがいいという訳です。レーニンは実際にそういう政策を推進したこともあるようです。また、新左翼系は家族帝国主義というものを打倒対象にしていたとのこと。私はマルクスやレーニンには大反対ですが、さりとて勝共連合のように現在の家族というものを肯定するわけではありません。それについては色々考えていますが、長くなるのでここには書きませんね。それはそうと、家族の幸せを願う人は、家族がいない人や、家族に苦しめられた人にもっと思いやりの気持ちを向けてほしいものです。

    さて、そのレーニンに関しても少しコメントさせていただきます。この間、松竹氏と東浩紀氏が文藝春秋で対談なさったでしょう。私はそれを見て愕然としました。何故かと言うと、タンボフ農民への毒ガス使用や、資産家・娼婦・聖職者などを銃殺したりしたとされ、ウクライナ人民共和国に侵攻し、共産党以外の政党を禁止したレーニンのことを「立派な人」だと語っていたからです。これを問題視できないとなると、文春のジャーナリズムと人権感覚をも疑わざるを得ません。私は以前から松竹氏のベトナムやアフガニスタンへの認識に首を傾げていましたが、松竹支持者の方はレーニン礼賛すらも構わないとお考えなのでしょうか。レーニンは昔の人だから処刑していたとしても仕方ないが、今は同じことを行ったら駄目ということでしたら理解できなくもないですが。

  2. Sonus Peregrinus より:

    「革命党」のレーベルが、実のところ、無能で腐敗した幹部たちを擁護していくシステムの維持に悪用されている、醜悪なる実態が分かる記事でした。

    問題の本質は特定個人というよりも、そのオカシな組織構造/体質にあるようですね。

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