【重要投稿】鈴木元氏がFacebookに京都市長選挙をふりかえり論考を投稿

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鈴木元氏がFacebookに京都市長をふりかえり、重要な論考を投稿されたので、転載して全文をご紹介したい。

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福山市長誕生のチャンスを逃した共産党のセクト主義
京都市長選挙、残念な結果になった。今日(2月6日)の赤旗を見ると「善戦健闘」論におおわれている。そうだろうか?、当選した松井氏が177454の得票、自民党を出て臨んだ二之湯氏が54430票で合計231884票で前回の門川氏の得票210640とほぼ同じであるが、少し上回っている。福山氏の前回は161618で今回は161203で少しだが415票減らしている。いずれにしても反動連合も福山陣営も4年前とほぼ同じ得票であった。
4年前と比較して共産党の党勢は大幅に後退しているし高齢化も進んでおり、街頭のメガホン宣伝は前回に比べて明らかに規模も量も減っている。にもかかわらず得票で前回とほぼ同じ得票を得たのは何故だろうか。何と言っても自民党の底なしの金権腐敗体質が連日、明らかにされ国民・市民の大きな批判が吹き出しつつあったこと。これに対峙する福山氏が「お金で動く政治ではなく、市民の要望で動く政治」を訴えてきた正義の弁護士であったこと。私は常々言ってきたが、選挙の勝敗は、その時々の情勢、候補者の組み合わせ、陣営相互の勝利への執念であって、党勢が前回より大きいか、まして130%追求などと関係ないと言ってきた。今回の選挙もそのことを示した。

福山和人さんは投票日以後もこうして街頭にたっている

さてそれでは「善戦健闘」で済ませる選挙だったのか、ましてや党勢の遅れ・主体的力量の後退に敗北の原因を求めることで総括になるのだろうか。私は共産党のセクト主義、最終盤の楽観論による執念の弱さが、勝てる選挙を逸したと考える。私は繰り返し言ってきたが、選挙の母体はその時の情勢、候補者の意見、支える団体の思いで決めたらいいので、特定の形態にこだわってはいない。今回の選挙で福山氏はいかなる政党の推薦・支持も求めず無党派で闘うと表明された。共産党も渡辺委員長・寺田副委員長の記者会見で福山氏の見解を尊重し、推薦も支持もしないで支えると表明した。ところが志位委員長(当時)が京都の「党知る会」において「福山氏を押し上げ市長にしよう」と訴えて以降、明確に変わった。小池書記局長が「応援」にきた四条烏丸での街頭演説では、共産党の大型宣伝カーで行われ、司会は倉林副委員長、まとめは穀田国対委員長、4人の共産党衆議院候補者の紹介、そして小池書記局長の応援演説と福山氏の決意表明であった。それ以降、その傾向が続き、強化された。毎日の赤旗を見ると応援弁士と書かれているのは大半が共産党の弁士であった。折角、れいわ新選組、新社会党、ならびに社民党や立憲の有志などが福山氏を応援しているのに紙面上ではほとんど扱われなくなっていった。相手側の松井陣営は事務所開きでも、最終版の2月3日のラスト宣伝でも自民党の幹部は登場せず公明・立憲などの弁士に終始した。私は共産党隠しには反対で堂々と闘えばよいと思っている。しかし今回の選挙では「市民と野党の共同」を言い、実際れいわ新選組、新社会党、社民党や立憲有志が参加しているのに、それをはじき飛ばし最終盤のラスト宣伝では倉林副委員長が終日マイクを握っていた。共産党丸抱えの選挙をおこなうことによって広く無党派の支持を広げる点でマイナスであった。
選挙の前半戦では松井陣営は維新が脱落したことによる楽観論、自民党による金権腐敗政治の過小評価で動きが悪く、マスコミ各社で「横一線」なとど書かれ引き締めを図った。福山陣営は「行けるかも」と士気が上がった。そのことも反映し期日前投票では「福山やや優勢」と報じられた。しかし松井陣営が引き締め巻き返しを図ったこともあって、出口調査では「松井陣営やや優勢」となった。明らかに最後の1日半の取り組みが勝敗を分けた。開票速報を見ていると前半では松井陣営は「負けるかも」という深刻な顔付で臨んでいたが、福山陣営は「勝利」を期待した明るい顔で座っていた。
私は2月1日にブログで福山氏の必勝を訴えるとともに過去に321票で敗れた木村万平選挙等の教訓から投票箱の蓋が閉まるまで取り組みが勝負だと書いた。それでも心配だったので2月3日の朝、同じ趣旨をYouTubeの動画で訴えた。この文書での訴えのアクセスは5745件、YouTubeのアクセスは最後の1日であったが3084件あった。一市民としてやれることはやった。しかし最終盤での共産党のセクト主義での共産党丸抱え選挙、そして最後の一票拡大の執念の足りなさにより福山氏の競り勝ちが実現しなかった。勝てる選挙で敗れた。善戦論や追い詰めた論は取り返しのつかない誤りや手立ての欠如の責任回避の主張である。同じ日に投票が行われ群馬県(保守的基盤が強く自民の首相を4人排出)の前橋市長選挙において、自公推薦の現職市長山本龍氏を共産党含む野党と市民の連合で闘い新人の小川晶氏(41歳の女性弁護士で県会議員)が60486票対46387票で約14099票差で圧勝している。前橋市も京都市も最大の焦点は自民党の金権汚職であった、同じような反共攻撃が行われたことは赤旗で紹介されている。京都の闘い方に問題があったことは明確である。
4年後のことは判らない。金権問題をめぐって自民党が分裂し政界再編成が起こっているかも知れない。松井氏は新人候補ではなく現職市長となり再選を目指した手堅い施策を行い、支持基盤を固めているかも知れない。今回のチャンスを逸した責任は大きい。
党大会後の共産党については別途触れる。なお私の「志位委員長への手紙」「さようなら志位和夫殿」の新聞広告が2月23日「東京新聞」2月28日「京都新聞」に掲載されます。普及協力をお願いいたします。

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