元旦の赤旗での志位和夫議長のインタビューについて 2025年1月1日 鈴木元
毎年元旦の恒例の取り組みとして赤旗を始めとする新聞の重要な論調を読むことにしている。赤旗+五大紙(読売・朝日・毎日・産経・日経)+地元紙の京都新聞の7紙を今日も朝食後、阪急桂駅の販売店へ行き購入し、ほぼ午後6時までかかって読んだ。
まず赤旗を見た。志位和夫議長のインタビューが一面の半分を占めた後5面に渡って全面を取って掲載されていた。共産党はもはや志位氏の党であることがその紙面の扱いから分かる。掲載されている内容は昨年のヨーロッパ訪問やアジア政党会議そして「共産主義と自由」など、昨年来、赤旗紙上で何回も展開されてきた論考で目新しいものは無い。大半の党員は紙面を見ただけで「また同じことを長ったらしく書いて」と読まないだろう。紙の赤旗は読んでいる人の数は分からない。ところがこの赤旗に掲載されたインタビューが今日元旦の00:00分から共産党中央のユーチューブで報じられた。私も開いてみた。始まった直後の00:06の視聴アクセスは188人であった。私はその瞬間、伸びても最大500人以内だろうと予測した。結果は最高時点で343人に終わった。党内でも、もう志位氏をまともに相手する人がいなくなっていることを見事にあらわした。撮影や発信のために中央のスタッフが何人も関わらせられただろう。全国の県や地区組織に放映と視聴の連絡もしたのであろう。志位氏は自分がもう全党からソッポを向かれていることに気が付かず、周りもそのことを直言しやめさせないところに現在の共産党の悲劇がある。
ところで他のマスコミが大きく取り上げている問題で志位氏が取り上げていない問題がある。①今年最大の政治闘争である参議院選挙。志位氏はそれは1月10日11日に開催される第四回中央委員会総会で提起すると言っているので、ここでは保留しておく。それ以外の重要な問題は②世界的に進んでいる民主主義の危機である。「後進国」における独裁国家だけの問題ではなく欧米などを含む「先進国」において、移民問題や経済困難が契機となって排外主義・一国主義の形をとった右派勢力が急速に伸び政権獲得させ起こっていることである。これをどう克服するかが現在政治の最大の課題である。読売新聞の大型社説の見出しは「平和と主主義を立て直す時 協調の理念をかかげ日本が先頭に」と書いている。他の各紙も大きな警告をしている。ところが志位氏は平和の問題について「逆流もあるが」としながらも「とうとうたる平和の本流が着実に前進していると」語り、民主主義の危機についてはまったく触れていない。③どのマスコミも急速に進む人口減少・危機について触れているが志位氏は今回を含めて一貫して人口減少問題を取り上げていない。④そして国民の生活困難をまともに取り上げず「130万円の壁」問題などについても一切触れていない。相も変わらず「共産主義=自由論」を展開しているようでは国民の支持を広げることは難しい。
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