沖縄県会議員選挙結果について 2024年6月18日 鈴木元

鈴木元
沖縄県会議員選挙結果について 2024年6月18日 鈴木元
共産党7議席から4議席への大敗北、デニー知事与党の過半数割れの重大な事態
デニー知事与党は共産党が7から4、立民が4から2、社民が同数の2、社大が2から3、無所属が9で同数。全体で24から20に後退しデニー知事与党は過半数を割ってしまった。そして4議席減のうち共産党が3議席減らしたのであるからその責任は大きい。志位議長・田村委員長は何も発言せず責任も取らないでいいのか。
なお野党の自民党は18から20、公明党は2から4、維新は2で変わらずで、無所属を含めて総計24から28へ増やし、与野党の差は8議席となり次の知事選挙に重大な困難をもたらすと予測される。
直後の記者会見でデニー知事は、真摯に受け止め何が足り無かったのか謙虚に改善を図りたいと述べていた。
 しかし共産党の小池書記局長は、昨日、常任幹部会を踏まえた定例記者会見において、記者の質問に答えて「自民党隠しと反共攻撃」「それを上回る活動ができなかった」と相変わらずの見解を述べた。それでは反共攻撃の対象ではない与党である立民が4から2に減った理由は説明できないし。野党である自民が18から20に、公明党が2から4に増えた理由も説明が付かない。与党・野党の県会議員の日常活動についての点検も必要だろう。
 そうした議員選挙区毎の選挙戦の細かいことは分からないが、常識的に行ってデニー県政と与党である共産党や立民に批判があったのであろう。そこをきちんと自己分析しなければならない。例えば重要な問題として中心争点である安全保障政策について深い分析が必要だろう。
 私はかねがね言い書いてきたが戦後革新勢力は「再び侵略の銃を取らない」、アメリカが行う戦争に巻き込まれてはならない」などを主張してきた。しかし近年、明らかに状況が変わってきた。中国・ロシア・北朝鮮による行動は、国民の中で、日米が侵略する危険より、日本が侵略・攻撃される危険の方が増していると感じ始めている。これは沖縄県民の中でも微妙な変化をもたらしている。すでに2021年の総選挙において沖縄では4議席全てをデニー県政支持の議員が当選したのに2議席になっていた。つぎの総選挙では唯一の共産党議席である赤嶺氏も決して安泰では無いだろう。
 沖縄戦の体験、今も続く米軍基地の問題など平和を願う気持ちは他の県民より強い。しかし中国の覇権主義的行動に一番直面し、北朝鮮の弾道ミサイル落下が一番多く緊急アラートに幾たびもさらされているのも沖縄である。こうした点で共産党ある意味では立民そしてデニー知事の安全保障問題の言動に疑問を持つ人々が増えていたと推察せざるを得ない。いやそうではないという意見があって当然である。しかしこれだけの敗北とりわけデニー知事与党が過半数を割ってしまい与野党が20対28になったことについて真摯な総括と立て直しを図らなけばならいないだろう。「立民と共産党が共闘する」都知事選挙にも大きな影響を与えるだろう。「自民党隠しと反共攻撃、それを押し返す力が足りなかった」など馬鹿げた評価・総括している限り知事選挙も効果的に闘うことは難しいだろう。

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