表題にあるとおり、鈴木元氏がFacebook上で日本共産党の最高幹部の一人、穀田恵二氏に関わる重大問題を告発した。
この問題は、昨年の穀田恵二氏の引退問題に関わり、鈴木元氏が重大な関心を寄せていたことであり、あらためて全面的に調査し告発に踏み切ったものと推察される。
以下、全文を転載する形でご紹介する。
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3月13日付で穀田恵二国対委員長の不倫問題を田村委員長・志位議長・小池書記局長宛てに古参党員の肩書で送ったのは私・鈴木元である。
2024年3月20日 鈴木元(ジャーナリスト)
はじめに(書き下ろし)
なぜ私が古参党員という匿名で送ったかであるが、一つは私を除名した側の田村委員長・志位議長等の人々からすると除名者からの主張など、聞く耳持たずで読みもしない危険があると思ったからである。同時に私は近く実名を明らかにすると明言した。もう一つは、私はもう少し調べてから発表する予定であったが、3月12日に穀田氏が、露出ダンサー会合に出席した自民党議員に辞職を迫ったからである。「それでは貴方はどうなのか」と即刻言わざるを得ないと考えたからである。その後、私はいくつかの事実を確かめた。それを踏まえて前回の匿名の文書を少し補足し実名で発表することにした。
正直、私は穀田氏の不倫問題についてはきちんと知らなかった。したがって最初に事件が発覚した時、私は穀田氏にメールで「貴方についての男女問題の噂話は聞いたが、貴方がそんなことをすると思わない、私は貴方を信じている。頑張ってください」送った。
しかしこの問題について「まてよ、調べてみる必要がある」と考えたのは、2023年に私が「志位委員長への手紙」を出版したことと係わって、3月15日、22日の二回に渡って、穀田氏が突然、自分の担当部署でもないのに国会において記者会見し「読んではいないが、党批判を書き綴った本を出した。けしからん」「松竹氏と示し合わせて計画的に共産党を貶める攻撃を行った」と批判した。
大学紛争時の1969年4月8日、穀田氏が全共闘に襲撃された時、私が救出部隊を組織し助け出した。彼が京都市会議員から衆議院議員候補になった時、私が本部長の任につきトップ当選を果たした(1993年7月18日投票)。私の妻が重い障害者となるまでは穀田家と家族ぐるみで付き合いスキー合宿を行ったりしていた。私は、穀田氏を戦友と思ってきた。その彼が電話一つかけてくることもなく突然私を攻撃したことについて全く理解できず「何故、そのようなことをしたのか」を調べることにした。下記に示すように色々調べるうちに彼の不倫問題が大きな要素であると思うようになってきた。以下、先日3月13日の文書に補強した形で再度発表する。
(1)市田忠義副委員長と、穀田恵二国対委員長の不可解な関係(書き下ろし)。
穀田氏が記者会見した少し前、市田副委員長は自らのフェイスブックにおいて2月8日、何の根拠を示すことなく「俺が俺がの鈴木元の哀れな末路」と書き込んだが、それに対して大きな批判が集中し市田氏は私を誹謗した部分を削除した。その前の1月23日の常任幹部会において松竹氏ならびに私・鈴木の除名の方向が確認された。市田氏は私への何か否定的な思いがあり、その常任幹部会確認を受けて本人の私への思いが吹き出たのであろう。しかし彼は批判にさらされた。その後に鈴木と戦友である穀田氏の私への攻撃発言となった。その直後3月20日配信の「ディリー新潮」に「親分・市田と子分・穀田」と書かれた。しかし穀田氏達は「ディリー新潮」を名誉棄損で訴えなかったどころか、赤旗紙上等での批判コメントも出されなかった。市田・穀田ともに「親分・子分関係」を認めるような不可解な行動であった。
以下前回の匿名の文書に新たに付け加えたところには下線を付けた
日本共産党中央委員会幹部会委員長田村智子・議長志位和夫他関係各位へ
前回文書では田村委員長・志位議長・小池書記局長に限定し送付したが、今回は本文書に氏名を書きこんだ浜野副委員長、それに市田副委員長、穀田国対委員長ならぴに問題が起こった京都府委員会渡辺委員長にも送付した。
露出ダンサー会合に出席した自民党議員に辞職を迫った穀田恵二共産党国会対策委員長、自らの不倫問題にどう責任を取るのか。ジェンダー平等を掲げて登場した初の女性委員長・田村智子氏はどう対応するのか。この文書はマスコミ関係者ならびに各党にも送付する。
2024年3月20日 鈴木元
(1)3月12日、共産党国会対策委員長・穀田恵二氏は、国会内記者会見において露出ダンサー会合に出席した自民党の国会議員にたいして辞職を求めた。
そんな時に穀田恵二氏の男女問題が私の耳目に入ってきた。私は古参党員だが、穀田氏の事件が世間に出た当時、仕事に追われていて、少しは聞いたが「共産党の常任幹部会員の衆議院議員で国対委員長の穀田氏がそんなことをするはずがない」と深く考えることは無かった。しかし最近の共産党の動向を見ていると少し気になり調べなおした。事件が明るみになった当時、京都府委員会の委員長であった中井作太郎氏(現・選対局長・書記局次長)等が誤った対応を行なってきたことに気づき、田村委員長。志位議長などは厳正な対応をすべきであると考え手紙を送った。
(2)穀田国対委員長の秘書をしていた早川幸男氏は選挙時穀田氏の候補者カーの専属アナウンサーをしていたS・S女史(京都民医連中央病院所属)と穀田氏が男女関係となり、あいびき場所へ何回となく送迎をする羽目になった。
早川氏が党機関にたいして報告・相談をしたところ、あいまい模糊に対応されたが、2004年9月穀田氏の秘書を解任され京都乙訓地区委員会機関紙部に配属された。早川氏が府委員会の会議に出席した際、中井作太郎委員長(当時)に呼び出され「幹部の素行調査などをしてはならない」と批判された。その後、2005年3月、第三者の立会いの下、中井委員長と早川氏の間で「除籍・離党」(規約上処分ではない)で合意した。ところがその1ヶ月後、早川氏の自宅に「除名処分」通知が郵送されてきた。中井委員長の「除籍・離党」の判断を覆し「除名処分」にさせたのは中央のしかるべきポジションにいる人物と考えられる。
除名文書は乙訓地区委員会名で書かれていたが、早川氏が乙訓地区委員会に調査で呼ばれたことも、処分に当たっての弁明の機会も無いままに行われた。当時、京都府委員会の勤務員であった人による証言では、府委員会勤務員への報告会がもたれ「早川氏は腐敗によって除名された」と報告された。こうした経緯から乙訓地区委員会の正規の会議で早川氏の除名処分がなされたかどうかも再調査の必要性がある。
除名された1年数か月後に除名が発表され職も失った早川氏は「週刊新潮」(2006年11月9日号)に「うぐいす嬢とラブラブメール」という記事を提供した。これに対して穀田氏は同年11月、東京地検に対して「事実無根」として「週刊新潮」ならびに記事を書いた記者、そして早川氏を名誉毀損として刑事告訴した。
今回、私は共産党はこのことについてどういう報道をしたのか調べなおした。穀田氏は2006年11月1日に、記者会見を行い11月2日の赤旗にその記事が掲載されていた。そこでは「早川氏は腐敗で除名された人物であり、全くの事実無根・名誉棄損での刑事罰を求め東京地検に告訴する」と報じていた。
しかし東京地検は2007年10月に不起訴処分とした。名誉毀損は事実と異なることを書いたりして名誉を傷つけることで成立するものである。不起訴になったのは早川氏が提出した穀田氏とS・S女史との交換メール等の資料と(S・S女史は穀田氏へのメールを間違って早川氏にも送っていた)、早川氏の口述を事実として認定したことになる。そして何よりも穀田氏は検察審査会に再審査を求めなかったし、民事訴訟(損害賠償)も行わなかった。したがって穀田氏自身が検察の不起訴(不倫があったという事実)判断を認めたことになる。この告訴に対する不起訴処分は赤旗紙上で報道されなかったので私は全く知らなかった。当時まだ党中央の中枢にいなかった田村氏も、私と同様に、穀田氏の不倫をめぐってこのような裁判があり不起訴となった事実を知っていないと思う。
常任幹部会員で国対委員長の穀田氏が「名誉毀損」として東京地検に刑事告訴したのであるから常任幹部会はともかくとして、少なくとも当時の三役である志位委員長、市田書記局長、浜野副委員長の了解の下に告訴したと推察されるし、不起訴(不倫が事実認定された)になったことも知っていた。にもかかわらず穀田氏の解任・処分は行われ無かった。ここに当時の三役の誤りがあったし、これらの人物が今も党の中枢に居り、互いの特権を維持する集団であることが改めて実証され現在に続いている。なお「週刊新潮」側の弁護士の証言によると、本来、穀田氏側の弁護士には中央の法律対策部の弁護士が付くが、この時は「告訴されるのは自由だが、私たちは係わらないと」と言う態度をとられ「穀田氏が個人的に弁護士を雇い裁判した」と語っている。穀田氏の不倫問題はプライバシーの問題ではない、共産党の国対委員長と言う公人の問題である。また過去の問題として曖昧にできる問題ではない。共産党は野坂議長が戦前に党員をスパイとしてスターリン指導部に売っていたとして100歳を超える野坂氏を除名したことがある。
なお早川氏は2013年7月31日に「週刊新潮」の記事より詳細に事件の概要を「鮎とビク」という電子書籍として出版した。アマゾンで「鮎とビク」と検索すれば出てくる。
(4)今日、共産党はジェンダー平等を掲げて党創立以来初めて女性の田村氏を委員長に選出した。
その共産党の国対委員長である穀田恵二氏が妻ある身でありながら長期にわたって不倫をしていたことを東京地検においても認知されたにもかかわらず常任幹部会員のままにしていることは共産党の体質が鋭く問われる問題である。そして当時、京都府委員会委員長であった中井作太郎氏がこともあろうに穀田氏の不倫の事実を報告した早川秘書を秘書解任にとどまらず「除名」で動いたこと、その経緯を知っているはずの当時書記局長であった市田忠義(現人事局長代理)が少なくとも黙認してきたことは許されない。
ここからは私の推測であるが、市田氏は自分のフェイスブックで私・鈴木を誹謗したが効果どころか逆に批判されたので穀田氏の男女問題の弱みをつかんでいる立場から彼に戦友である私を批判させることによって鈴木批判の効果を上げようとしたのではないか思われる。だから「ディリー新潮」で「親分市田・子分市田」と書かれても、二人とも「ディリー新潮」を批判できなかったと考えられる。
第29回党大会の人事を見ると25名の常任幹部会員の内5名が立命館出身者で他府県の人から見ると立命閥・市田閥と思われても不思議でない人事となっている。先日の京都市長選挙では立命館出身の福山和人氏が候補者となり立命館出身者による励ます集いが開催されたが市田氏が呼ばれなかった。それにたいして市田氏はフェイスブックで「自分を呼ばなかったのは」と苦言を呈した。呼びかけ人の一人が「失礼しました」と謝罪している。市田氏は自分が立命OBの中心的人物としてふるまおうとしている。そんなことは無い。彼は確かに立命館の二部に在籍していたが、当時の立命館二部において代表的活動家は久保孝夫(民主化初代二部学友会委員長)、立花明(京都農村労初代専従書記に飛び込んだ)、水谷定男(大学紛争時の二部学友会委員長)などで、市田氏は二部の中でもほとんど目立つ人物ではなかった。ましてや昼間部ではその存在さえ知られていなかった。彼が地区委員長、府委員会書記長になるにしたがって立命二部出身の活動家たちが「いっちゃん」と親しげに近付き始めたのである。しかし京都の党員で彼を立命館学生運動の中心人物であったと扱う人はいなかった。私は開催されていた「赤旗祭り」で「立命館OB」の集いを開催していたが、彼は参加してこなかった。彼が立命館OBの代表のような顔をしだしたのは私・鈴木元を除名して以降のことである。
この穀田・早川問題を京都において知っているのが中井委員長とともに早川氏を査問した当時書記長をしていた細野大海氏である。先日の党大会まで中央委員で組織局次長をしていた。大会後の人事で彼の名前が消えていた。ところが16日に開催された京都府党会議において平の常任委員の一人となっていた。彼は京都伏見に自宅を持っていたが一昨年に売却している。東京で骨をうずめるつもりだったのであろう。それが70歳を超えた今になって京都の平の常任委員にされるとは、人事異動だから退職金も出ない。新しい京都の住まいのお金も確保しなけばならないだろう。今頃になって京都府委員会の勤務員を続けなければならない。残酷なことをする。かつて京都の書記長を務め中央委員で組織局次長であった細野氏を、なぜ京都府委員会の平の常任委員に付けたのか渡辺和俊府委員長は京都の党員に説明する義務があるだろう。
田村委員長ならびに志位議長を始めとする共産党の指導部は、このような穀田氏の事態を放置していては共産党の言うジェンダー平等について国民から疑われてもおかしくない。
田村委員長ならびに志位議長らの指導部が一刻も早く穀田氏にたいして厳正な対応を行うことを切望する。そうしなければ田村委員長・志位議長の責任も問われることになる。
ところで3月19日の赤旗日刊紙に機関紙活動局長・大幡基夫氏と財務・業務委員会責任者・岩井鉄也氏の連名の訴えが出された。そこでは私の予想通り3月末大量減紙の危険があり「そうなれば赤旗の発行の危機、中央機構の維持も地方機関の財政もさらに困難をまします」と記されている。細野氏に退職金など払う余裕はないのである。まさに断末魔叫び声のような訴えとなっている。以前に述べたが志位指導部は松竹氏と私・鈴木元に除名処分について謝罪し取り消し、党再建の方策について率直に意見交換する場を設けるべきである。
冒頭に記したように、この文書はマスコミ関係者そして他党の関係者にも送る。適切・敏速・厳正に対応しなければならない。
以上
コメント
通常なら他人の素行については、プライベートな領域に属する事として、あんまりコメントしない様にしております。
然しながら、ここで鈴木氏が展開されている論を読みますと、穀田氏の過去の行動に纏わる諸相が、公党の組織体質の問題の有り様と深く関わり合っていることが分かります。
日本共産党の規約によりますと、同志の「品性」は党内活動で重視される建前であります。
だからこそ、「早川氏は『腐敗』によって除名された」とか聞くと、普通の同志は納得してしまう筈ですが、実際は、内部の腐敗を組織的に隠蔽する行為の隠れ蓑としての排除行為となると、話は全く違います。
むしろ、「腐敗しているのは、一体どっちだ!」と厳しく問い質し、日本共産党の組織的膿を出し切る運動を広範囲に展開すべきではないでしょうか。
今、この国を取り巻く状況が厳しくなればこそ、日本共産党は益々必要となります。だからこそ、健全な組織としての発展を願うものですが、そうした立場からも、鈴木氏の批判的言論に期待を寄せていきたいと思います。