みんなの疑問をズバリ!|立憲も共産も岸田内閣打倒をなぜ言わぬ

鈴木元

鈴木元氏がFacebookを更新。いまの自民党がおかれた状況を前に、みんなが思っている疑問をズバリ指摘してくれました。全文を転載し紹介します。

待望の市民と野党の政策合意、しかし立憲も共産党も岸田内閣倒閣の呼びかけを何故しないのか?
昨日12月7日「市民連合」の呼びかけで5党派(立憲・共産党・れいわ・社民・「沖縄の風」)が集まり総選挙への野党共通政策(5つ)が確認された。自公政権にとって代わろうとすれば野党の共同しかないのであるから「市民連合」の呼びかけに応えて5党派が集まり共通政策を確認したことは 国民の期待に応えるものであり歓迎である。しかし次期総選挙で協力しようというもので、岸田内閣の倒閣運動は呼びかけられなかった。なぜなのか。

自公政権・自民党は末期症状を呈しており国民の怒りも大きくなっている。昨日には政権の中枢である松野官房長官が政治献金のキックバックで1000万円を手にしていたことが明らかになった。その後、今朝9日のマスコミ報道によると松野氏だけではなく西村経済産業相を含めて6人の安部派の幹部がいずれもキックバックを受けていたことを明らかにした。政界の常識でいえば岸田政権打倒・解散総選挙を求める局面ではないだろうか。しかし立憲も共産党も倒閣運動を呼びかける気配を示していないのが不思議である。

先日マスコミの質問を受けて立憲の安住国会対策委員長は「もう少し様子をみてから」と回答していたが、暗に立憲の支持率が伸びていず今選挙になれば維新に漁夫の利を狙われると予想され、今は選挙をしたくないという雰囲気であった。共産党も同じかも知れない。最近の世論調査では支持率はジリジリと下がり令和より少なく2%を割り1%台となっている。

しかし選挙なれば議席を減らすかも知れないとの予測で倒閣運動を呼びかけないという態度でいいのだろうか。今日の国会中継を見た。自信があるのだろう維新の馬場代表は岸田首相にたいして「憲法改正」など対決点をあきらかにして解散・総選挙を行うべきだと主張した。立憲や共産党は足元を見られている感じである。

その後の記者会見で馬場代表は立憲にたいして内閣不信任案を出すべきとも語った。内閣不信任案を出せるのは51議席以上なければならず単独では立憲だけ(立憲96議席、維新41議席)。松野官房長官の交代も取りざたされている。それどころか内閣改造そして岸田政権は野垂れ死に解散になるかもしれない。そうなると解散総選挙・内閣不信任を提起していた維新が政局のキャスティング・ボートを握る可能性がある。立憲や共産党はモタモタしていては駄目である。

古い話で申し訳ないが「60年安保闘争」時、共産党は衆議院では2議席しかなく安保共闘にも正式加盟を認められずオブザーバー扱いいであった。しかし共産党は日刊紙「赤旗」を持っている強味を生かし連日改定安保の問題点・岸政権の非民主的国会運営を暴露し闘いの発展に務めた。改定安保条約が批准されたあと岸首相は辞任し総選挙となった。共産党は3議席しか獲得できなかった。党内においても敗北論を述べる人がいた。しかし議席もさることながら共産党が安保闘争において戦後最大の国民的闘争に発展させる上で、政治的・歴史的に果たした役割は高く評価されるべきであった。そして実際、その後60年代・70年代の共産党躍進の礎を築いた。

この精神・闘いこそ、現在の情勢に生かし岸田内閣打倒を呼びかけ国会前集会やデモを組織すべきであると考える。高齢化した党、拡大と選挙の後退で疲れている党、松竹・鈴木除名問題で団結が弱っている党。今の党には国会前の集会やデモは無理だなどと言わず、やってみれば共産党支持如何にかかわらず人々は集まりはじめると思う。今こそ国民のエネルギーを信頼すべきである。その結果、選挙で躍進しなくても。運動の高揚は必ず次の発展につながると思う。

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