「共産党は何をしているのか」あきれ果てるだけではなく怒りさえ覚える。6月27日鈴木元

鈴木元
「共産党は何をしているのか」あきれ果てるだけではなく怒りさえ覚える。6月27日鈴木元
 沖縄県議選に続いて東京都知事選が告示され、いよいよ次の衆議院選挙への大きな政治戦が始まった
(1)沖縄県議選の結果について一言も語らない志位議長・田村委員長。
 沖縄県会議員選挙で共産党は7議席から4議席に4割も減った。直後の定例記者会見で小池書記局長は「自民隠しと反共攻撃の結果」と訳の分からないことを言った。続いて国会閉会議員会議で田村委員長は小池氏と同じ事を言った(ユーチューブで放映された)。ところがあくる日の赤旗では、その部分は削られ何も語らなかったことになっている。もちろん志位議長は今日まで一言も語っていない。ましてや選挙直前に起こった共産党議員による公共事業をめぐっての偽領収書事件などは未だに語られていない。要するに都合の悪いことは書かない語らないという態度である。これでは国民の支持を広げるなど出来ない。
(2)共産党東京都委員会の名前で蓮舫氏の写真入りで募金袋を配布
 私は事実上政党としては共産党しか入っていない市民連合の名で、蓮舫氏の写真入りで共産党の都知事選挙政策ビラを配布するなどして、蓮舫氏=共産党との攻撃を与えることは止めるべきだと主張してきた。
 ところがそれどころか上記したように共産党東京都委員会の名前で蓮舫氏の写真入りで募金袋を配布しだした。さすがの立憲のメンバーも「これでは共産党に乗っ取られ、無党派層や中間層はどんどん逃げていくと言わざるを得なくなってきた」と語り始めている。そしてマスコミ各社の世論調査では小池氏と蓮舫氏の支持は開き始めただけではなく、第三の石丸氏と蓮舫氏のでは無党派層支持では石丸氏が蓮舫氏を抜き始めたと報じている。このままでは小池氏が蓮舫氏に大差をつけて勝利する危険性があるだろう。しかしその場合、共産党は蓮舫氏の得票は先の参議院選挙での共産党票の、〇倍、そして蓮舫票の〇倍の善戦健闘であったというのだろうか。まさにセクト主義による都知事選挙潰しである。
(3)志位議長、都知事選挙の真っ最中に「共産主義=自由世界」との講演を行い全国に配信。
 25日共産党中央委員会は全国教育部長会議を開催し、それに先だって志位議長によって「共産主義=自由時間世界の未来社会論」との講演を2時間半に渡って行い、ユーチューブで全国に配信し全党に視聴を呼びかけた。
 私は志位氏が青年セミナーで「共産主義=自由時間論」を述べた時に書いたが。共産主義社会など日本一国で実現できるものではないし、200年300年先の事である。党首である志位議長は、知事選挙をはじめ、いま直面している厳しい闘いを横において共産主義論を語るなど政治家としては全く的はずれであると書いた。そして赤旗で教育部長会議での志位氏の議題を見て何か追加することを見つけて報告するのだろうか。そんなことで全党を振り回さないでほしいと思った。
 今回の講演で志位氏は「共産主義=自由時間論」を深く理解するためには、不破氏の研究や、社研所長の山口氏のアドバイスを受け「資本論だけではなく資本論草稿集を読む必要がある」と報告している。この点が青年セミナーに付け加えられた点である。以前にも書いたが、そもそも常任幹部会員25名の大半が資本論も読んでいないだろう。読んだという人は手を挙げ私と資本論について議論してほしい。にも関わらず志位氏は全党に対して「資本論に留まらず資本論草稿集をも読まないと深く理解できない」などと説くとは、全く政治家の言うことではない。
 ところで志位氏は相も変わらず共産主義=自由時間論を述べる中で、自由な時間を生かして「全面発達した人間になる」などと語っている。視覚障碍者に絵画力量の発達、聴覚障害者に音楽力量の発達など求めるべきではない。つまり全面発達などあり得ないし求めるべきではない。それぞれの個性を生かした発達を支援すべきなのである。マルクスの著作の片言節句にとらわれた読み方をしているからそのような誤った主張をするのである。
 労働時間の短縮は重要である。しかしそれは何百年も先の共産主義世界を待つまでもない。今日、多くの労働現場では週休2日制が確立されており、政府や財界でさえ時間短縮を伴う「働き方改革」を言わざるを得なくなっており、労働時間短縮は今求める現実的闘争課題である。マルクスがこのことに特別の意義を見出したのは当時、労働者の闘いで10時間労働制が実現し、それを生かし労働者が学び団結する術を実現しつつあったからである。そこでマルクスは労働時間の短縮を共産主義を実現する重要な課題として位置づけた。ただ彼は共産主義はすぐそこに来ていると思っていた。しかしそれから180年たったが共産主義の世界は来ていない。そうはならなかったし、今日ではさらに200年300年先のこととして考えられている。共産党はかつて「70年代の遅くない時期に民主連合政権を」と言っていたが、今では「民主連合政権を21世紀の遅くない時期」と言っているのであるから。つまり民主連合政府でさえ100年単位のこととして言い出しているのである。したがって共産主義社会など今日では200年300年先のこととして考えられているのである。志位氏は講演の中で「私たちは共産主義者の集団です」と語っている。ここまでくれば創価学会の池田会長になぞらえて「志位氏を会長とするマルクス共産主義教団」と言われてもおかしくない。党首がこのような主張をおこなう政党がこ国民の多数を組織出来るはずないが、支持が広がらないのは「支配勢力とその傘下にあるマスコミの反共攻撃であり、それを打ち破らなければならない」などの妄想と付き合っていられない。このような講演を誰も止めない党運営は悲劇であるし喜劇である。
(4)ところで岸田首相・総裁ヘの批判は野党陣営からだけではなく、菅前首相などの自民党内からも吹き出し日々のマスコミで報じられている。それに対して「党規上問題だ」とか「除名」などの言葉は飛び出していない。共産党だけである「選挙で議席を1/4に減らし、赤旗も1/4に減らしている、志位氏は責任を取って止めるべきである」と主張したら即除名などということは改めるべきである。

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