松竹伸幸氏の除名は、どう考えてもおかしいーそう思って、この1年活動してきた。松竹氏は、除名の再審査を求めて昨年はかなりの時間をこの問題に割いて活動してきた。15日からの第29回党大会で、きちんと再審査に関して議題に付され、支部への差し戻し、再審査と除名の撤回が実現することを心から望んでいる。
ところで、昨年1月に、松竹伸幸氏が「シン・日本共産党宣言」を出版したことに端を発して、共産党は松竹氏を除名したと思われていたが、奇しくも、第29回党大会決議案への意見を掲載した討論誌で、党員の中から、党中央勤務員の話として、「中央は以前から集団的に(松竹氏除名を)検討していた」事実が暴露された。このことで、これまでの見方に疑問を呈する声が、にわかにあがり始めている。
僕の中で、ふと浮かんだのが、昨年2月に行われた田原総一朗氏と松竹伸幸氏の対談だ。
https://www.youtube.com/live/9c8VCVWrV0M?si=4MocFbArEiIqJ4HF
46:12
あたりからを是非視聴してほしい。
田原氏はこういう。
対米従属の日米安保条約をやめて自立すべき、自立したら、防衛費は2倍、3倍になる。核兵器も持たないといけない、どうするんだ?この議論を党内でやらないのか?と田原氏から迫られた志位和夫委員長は、
田原さんのいうとおりだ。
けれど、まともに議論したら共産党は崩壊する
と言ったというのだ。
ずっとこの話が気になっていた。
日本共産党は日米安保条約廃棄を掲げる党なのに、いま正面からその議論を党内で行ったら、共産党が崩壊する、とはどういうことだろう?と。
今になって僕はようやくその意味が、理解できた。
この方のポストを見て欲しい。
https://x.com/k2gtr/status/1744665594954444896?s=46&t=1STOWcwdQkng0znNCqBS7Q
https://x.com/k2gtr/status/1744664863262289977?s=46&t=1STOWcwdQkng0znNCqBS7Q
この方の見立てでも、党中央は以前から松竹伸幸氏の主張を把握しており、「泳がせていた」可能性が極めて高い、というのだ。
いつ、どのタイミングで「除名処分」というカードを切るのか、確実に一撃で刺せるタイミングを虎視眈々と狙っていたのではないか?
では、なぜそこまでして、松竹伸幸氏とその主張を恐れるのか?
僕の見立てとしては、その答えが、田原氏と松竹氏の対談動画の引用した部分にあるのでは?と思って、ずっと心に引っかかっていたのだ。
党首公選で、安保条約の廃棄問題が焦点になれば、志位さんは、今の党内事情では、党が崩壊するかもしれない、と本気で心配して、除名を指示したのだろうと。
しかしである。
僕のこの見立て自体も、底が浅かったのでは?と反省している。換言すれば、志位さんを党首として人間としてあまりに「いい人」として見すぎて、より深刻な本質を見れていなかった、ということだ。
先程引用した方のポストでは、ズバリこういう記述がある。
「志位執行部は党内ヘゲモニーを維持するために党を犠牲にしたのではないのか、という疑いです。」
本当に党のことを思うならば、松竹氏の主張についての問題点(僕自身は問題とは到底思えないが)を察知した段階で、本人とやりとりして真意を確かめたり、正すなりの対応を行うはず。そうしてこそ、問題点を解決することもできたかもしれないし、そのことで党の理論的強化に繋がったかもしれない。
しかしそれをやらなかった。
やらずに、除名処分にするために一番良いタイミングを見計らっていた。
党内ヘゲモニー(ヘゲモニーとは、政治的、軍事的優位に立つこと、リーダーシップを発揮すること)、つまり志位執行部の保身のために、もっといえば志位委員長の保身のために、松竹氏を切り捨てたのではないか?
では、何に怯えているのか?
それも、この一年近くの共産党と志位執行部の発言などを通じて見えてきた。詳細は、別の機会にまとめるつもりだけれど、
結論を言えば、2015年以来の安保・外交政策をめぐる志位和夫委員長の動揺の顛末について、マスコミや論壇、専門家はもちろん、党内からの突き上げを食らうことへの恐れ、ではないか?と考える。
だから、「松竹パンフ」以降、唯一の例外としてでた土方文書以外は、肝心要の、「志位和夫氏と松竹伸幸氏の主張はほぼ同じなのに、松竹氏が即時除名になったのか?について、共産党の側から積極的に解明する論文が皆無だったのだ。
議論を詰めれば、志位氏の2015年以降の「安保条約5条の適用、自衛隊合憲、民主連合政府下でも自衛隊を認める」の主張が、松竹氏と同じであることが明るみになる。「党の見解と違う」ことが前提だから「突然外から攻撃」との除名理由が成り立つわけで、同じだとわかれば、志位氏の主張の肉付けのために悩みながら政策を考え提起した松竹氏が「めちゃくちゃ良い人」にしか見えなくなる。そして、実際、松竹伸幸氏は、批判を浴びても、志位和夫氏の主張に現実的な力を与えるために主張を堂々とした、理論的にも人間的にも真面目で良い人なのである。
以上のことを踏まえると、今回の記事のタイトルに関しての僕なりの結論は、こうだ。
志位和夫氏はなぜ頑に松竹伸幸氏を除名にしたのか?
それは、松竹伸幸の主張を受けて、オープンな議論を徹底すれば、自分の最高指導者としての地位が脅かされ、権威の失墜に陥ることを恐れたから。
松竹伸幸氏の除名は、明らかに間違いであり、「日本共産党規約第3条の(五)意見が違うことによって組織的排除を行なってはならない」に違反しているのは志位執行部ということになる。
あと5日後に党大会が始まる。
僕が今回書いたような議論を完璧に否定するためには、再審査が不可欠である。黙って却下などすれば、党よりも自身の保身を優先させた志位氏の党の私物化を大会が認めることになるだろう。
そんな愚行が許されるはずがない。
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