鈴木元氏が、Facebookに9月15日に開かれた、日本共産党101周年記念講演会での志位和夫委員長の講演に関しての論評を投稿しました。全文を転載してご紹介します。
鈴木元 志位講演について
9月15日、志位和夫委員長による党創立101周記念講演が行われた。明くる16日の「赤旗」に要旨、そして17日の「赤旗」に5ページに渡って全文が掲載された。私は一通り読んでみた。基本的には先に発表された「日本共産党の百年」と同じものである。根本的欠陥は既に記したが1980年の第15回党大会以降、毎回の党大会で党勢(党員、機関紙)が40年余り減り続けていることにたいして、総括と戦略的打開策が示されていない事である。そして記述のトーンとして二点の強調である。すなわち①政治闘争(階級闘争)の弁証法②いかなる時でも党勢拡大に取り組んできた。今こそ。というものである。
①「階級闘争の弁証法」
すなわち志位氏によると「共産党が前進すれば、反動勢力はそれを抑えにかかり、それとの闘いを通じて党は新たな前進を遂げる。そこに確信を持って臨もう」という主張である。しかし先に示したように1980年の第15回党大会以来、党勢力は一貫して後退し党員は半分、機関紙は1/4に減っているのである。つまり1980年以来、反撃に転じたことは一度もないのである。これでは弁証法的発展とは言えない。
②党勢の拡大は必要である。
しかし日常活動を含めた大衆運動、大衆組織の拡大・統一戦線運動などにより党の権威の引き上げ、つまり「種を播き、育てる」地道な活動によって党の影響力を広げる工夫と努力を置いたまま、「130%という天文学的拡大目標」の必要性を説き「月間」を繰り返すだけで党は疲弊している事を無視した方針を繰り返し展開し、党破壊を進めていることを抜本的に改めなければならないのに「この時も、この時も党勢拡大を進めた」との論述を教訓としているようでは現実を無視した議論である。
ところで17日の日曜日は全国各地で地方議会の選挙・投票が行われた。長野市は6名の現職が5名になった。「赤旗」では今のところ報じられていないが山形県の中山町は現職が次点で敗れ空白に、岐阜県の北方町も現職が次点で落選し空白に、そして兵庫県の猪名川も現職が次点で落選し空白になった。何時までも過去の栄光だけをメインにした党史では駄目で現実を直視し、なぜそうなったのか、どうして打開するのかを、全党・支持者の意見の聴取を含めた議論が必要である。
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